第5章 "ほ…惚れたのだよ…!"
亜美「ちょっとごめんね」
私はポケットから携帯を取り出し、ディスプレイを確認する。
それを見た瞬間、声にならない声が漏れた。
そこには…
" 赤司くん"
私は思わず立ち止まってしまった。
緑間くんもそんな私の様子に気がついたのか、私の携帯のディスプレイを見て、目を大きく見開いた。
私は、メールの中身を見ようとした。
だけど、その行動は緑間くんによって封じられた。
緑間「それは、お前が家に帰ってから見た方がいいだろう。…俺がいる前で見るな。」
そう言って私の手を取って携帯を私のポケットへ戻す緑間くん。
亜美「…そうだね。今は緑間くんと楽しくおしゃべりしたいもん。見ないよ。」
緑間「あぁ。じゃあ、行くか」
そう言うと、私達はまた先ほどの話題に戻った。
でも、私の中では赤司くんからのメールが気になっていて…。
全然会話が耳に入ってこなかった。
……………
気がついたら私の家の前に到着していた。
私は精一杯の笑顔でお礼を言う。
亜美「緑間くん、送ってくれてありがとう!それと、相談に乗ってくれて。」
ぺこりと頭を下げる。
緑間「構わないのだよ。あと…」
急に緑間くんが真剣な表情になる。
緑間「またなんか困ったことがあったら必ず言え。俺でも、力になれることがあるかもしれないのだよ。」
その優しい言葉に思わず涙が出そうになった。
亜美「…うん!わかった!本当にありがとう。」
緑間「じゃあな」
私は緑間くんを見送ると家の中に入った。