第5章 "ほ…惚れたのだよ…!"
(まだ次の時間まで余裕あるし…大丈夫かな)
そんな事思っているとふと前から背の高い見覚えのある人物が。
亜美「み、緑間くん!!」
私は小走りで緑間くんの元へ。
緑間くんは相変わらずの無表情で職員室から出たところだった。
多分、今朝の遅刻の事でだ。
緑間「…亜美か。…何なのだよ。」
少しイラついた様子の緑間くん。
何か、あったみたい。
亜美「どうしたの…?」
緑間「…はぁ…。今日の部活を禁止されたのだよ。これから赤司に伝えてくる…………そういえば…」
くるりと回れ右をして私に少し近づく緑間くん。
私の制服のポケットを見ているみたいだけど…。
緑間「昨日のメールはどうだったのだよ。」
…メール?
緑間「昨日の帰りに赤司からメールがあっただろう。その事を聞いているのだよ。」
亜美「あ、うん。えっと…明明後日、話があるから体育館に来てほしいって内容のメールだったよ。」
私がそう言うと緑間くんが眼鏡の奥の目を大きく見開かせた。
緑間「お前もか…」
亜美「…え?何?聞こえなかったよ」
緑間「…いや、なんでもないのだよ。…行くぞ。」
そう言ってずんずんと教室に向かって歩き出す緑間くん。
なんだかブツブツ言ってて…変なの…。
でも、私のせいで緑間くんは今日部活禁止にさせられたんだよね…。
大事な春合宿の前だって言うのに…。
少しは責任取らなきゃな。
そして、案の定。
教室に戻るとまた私は女子から、緑間くんは男子の皆さんから、質問攻めにされたのでした…。