第5章 "ほ…惚れたのだよ…!"
亜美「緑間くん…どうしてまだ学校にいたの?部活も終わってるのに…」
緑間「赤司が部活に来なかったからな。色々やることがあったのだよ。」
そう言って飲みかけのおしるこを一気に飲み干した。
(赤司くん…結局部活行ってないんだ…)
緑間「お前こそ、あんなところで泣きながら何をしていた。」
亜美「あ…えっと…。」
これは…話した方がいいのだろうか…?
緑間くんになら、相談できるかもしれない。
私は、今日一日の出来事を話した。
手紙を受け取ったこと。
赤司くんから告白されたこと。
怖くて泣いていたこと。
長々と話していても緑間くんは静かに聞いてくれた。
最後に『…そうか。』の一言だけ発して。
…………
緑間「…帰るのだよ。」
亜美「え?あ…うん。」
前々から思っていたけど、緑間くんはたまに突拍子もない事を言う。
でも、私の気持ちを察してくれたのかな。
私はカラになったおしるこの缶をゴミ箱に入れると鞄を持……あれ?
(鞄、教室だ…!)
亜美「緑間くん、ごめん。鞄、教室にあるから取ってから帰るね。先帰ってて。」
そう言って小走りで教室の方へ走る。
だけど、振り出した手首を緑間くんに掴まれた。
緑間「駄目だ。お前を一人になんてしておけないのだよ。」
亜美「…え…?」
緑間くんが…こんな台詞を言うなんて…!
思わず感動してしまった。
緑間「…っ!か、勘違いするな、俺も教室に用事があるだけなのだよっ。」
赤面しながら眼鏡をくいっと上へあげる緑間くん。
その可愛らしい行動にクスクスと笑ってしまう。
緑間「なっ!笑うなっ!」
亜美「ふふっ。ありがとう。緑間くん。」
私が笑顔でそう言うとさらに赤面しながらちょっと笑った。
いや…ように見えたかな…。