第5章 "ほ…惚れたのだよ…!"
亜美「はぁ…!はぁ…!」
あれからどのくらい経っただろう…。
ここは、どこなのだろう…。
久しぶりにこんなに走ったのかもしれない。
私は限界を感じ、膝に手を置いて呼吸を整えた。
赤司くんから逃げるように教室を飛び出してひたすら走ったけど…。
外は茜色だし…。
まだ春だからちょっと寒いし…。
怖くもないのに私は涙を流してしまった。
亜美「…っ、ぐすっ…」
膝の力が抜け、その場にペタンと座ってしまう。
止まれ…っと心の中で念じても私の涙腺は緩んだまま。
中学生にもなって意味もなく泣くなんて…本当に恥ずかしい。
…
しばらく経っただろうか…。
私はふと…誰かの気配を感じた。
コツ…コツ…
と、規則正しい足音が聞こえる。
(誰…?)
その人影は私の目の前に足を止めると驚いた様子で言った。
緑間「こんなところで何をしているのだよ。」
声の主は緑間 真太郎くんだった…。