第4章 ”従え"
授業も終わり、放課後を告げるチャイムが鳴る。
私は、先ほど受け取った赤司くんへのラブレターを届けに赤司くんを探しに向かった。
だけど……。
(……どこ?!!)
校舎内をグルグルするが全く赤司くんは見当たらない。
他のキセキのメンバーにも聞いて回ったが誰一人知っている人はいなかった。
教室、体育館、職員室。
一応、家庭科室や音楽室も行ったがやっぱり見つからない。
亜美「どうしよう…。」
息を切らせながら私は、もう一度赤司くんの教室に向かった。
…………
外は既に夕陽に照らされオレンジ色に染まっていた。
赤司くんの教室の前に行くと、閉めたはずのドアが開いていた。
ドアの窓から中を確認する。
すると、窓辺に人影が見えた。
もしかして…!
そう思いゆっくりと中に入る。
そこにいたのは窓辺に寄りかかって座り、腕と足を組んだ赤司くんだった。
しかも居眠りをしているのか、規則正しい寝息も聞こえる。
夕陽に照らされた赤司くんはとても綺麗だった。
思わず見惚れてしまって、手から持っていた赤司くんへのラブレターがバサバサっと地面に落ちてしまった。
亜美「あ!いけない!」
慌てて手紙を拾う。
クシャクシャになってしまうわけにはいかないから。
赤司「……ん…」
(…あれ…今赤司くんの声が聞こえたような…)
恐る恐る振り返る。
赤司くんは眠たそうに瞬きをし、私を見降ろした。
赤司「…どうしてお前がここに…」
いつもよりトーンの低い冷たい声で体が強ばった。