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キセキとの3日間 〜黒バス〜

第4章 ”従え"


"ガラッ"
亜美「おはよう、ございます…」

しーんと静まり返った体育館に足を踏み入れる。

私の声が体育館中に響き渡った。
でも、その声に返事はない。

(…まだ赤司くんは来ていないのかなぁ…)

ふと時計を見ると約束の6時とは15分前に来てしまった…。

(さすがに早すぎた…)

あくびをしながら背もたれ付きのベンチに腰掛ける。
朝の気持ちの良い雰囲気に眠気がどんどん増していった。

(ね…むい…)

昨夜、あまり眠れなかったせいだろうか。
私はそのまま眠ってしまった。



………………

"キュッ" "バンッ"

亜美「…ん…!」

ふと大きな音で目が覚めた。
驚いて辺りをキョロキョロする。

そこには赤司くんが。

赤司「あ…すまない。起こしてしまったか。」

ボールを持った赤司くんはいつもの冷たい表情でそう言った。

私は急いで立ち上がり頭を下げる。

亜美「ご、ごめんなさい!!赤司くんきてるの知らなくて寝てしまいました!」

大きい声でそう言うとだんだん赤司くんが近づいてきて、優しく私の頭を撫でた。

亜美「…え?」

突然のことに目が丸くなる。

赤司「頭を上げろ。お前は悪くない。お前を待たせた僕が悪いんだ。すまなかったね。」

亜美「あ…赤司…くん?」

赤司「ん?なんだい。」

私は意を決して言う。

亜美「どうしたの…?いつもの赤司くんらしくないけど…」

私がそう言うと赤司くんは口元に手をやり、クスクスと笑い始めた。

赤司「ふふふっ、お前は本当に面白いね。僕はいつも通りだ。お前に嘘はつかないよ。」

亜美「あ、うん!そうだよね!ごめんなさい変なこと言って…」

私は笑顔でそう言った。
だけど……。

絶対赤司くんの様子おかしい。

昨日の部活の事かもしれない。
先に謝っておいた方がいいよね!

亜美「あの赤司くん!昨日の部活無断で行かなくてごめんなさい!」

私は精一杯の気持ちを込めて再度頭を下げた。

でも、赤司くんはなんでもなかったかのよう。

赤司「あぁ、それなら先生から聞いた。プールの掃除をしていたんだろ?敦と。」

亜美「あ、うん。ごめんなさい。」

最後の『敦と』を強調したように聞こえたのは私だけかな…?



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