第3章 "大好きなんだけど"
亜美「どうしよう、どうしよう…確実に怒られるって…!」
私が冷や汗をかきながらプールサイドを行ったり来たりしていても紫原くんは落ち着いた様子。
亜美「ねぇ、どうして紫原くんはそんなに落ち着いてるの?」
そう言って紫原くんの隣に座り顔を覗き込む。
紫原「大丈夫だよ、だって赤ちん、亜美ちんの事大好きだから…。」
亜美「…え…?どうゆうこと?」
また冗談言ってる…。
でも、その時の紫原くんの顔はキリっとしていてとても冗談を言っている顔ではなかった。
紫原「赤ちんの顔見ればわかるよ〜。好きって顔してるもん。」
亜美「そんなこと…あり得ないよ…。」
紫原「亜美ちんは、赤ちんの事好きじゃないの…?」
紫原くん…なんでそんな辛そうな顔するの?
亜美「……バスケットマンとしての赤司くんはキラキラしてて、素敵だとは思うけど…。好きかなんてわかんない…。」
私がそう言うと紫原くんは無言で私の手を握った。
驚いて顔を上げる。
紫原「亜美ちんはやっぱり素直で優しいね〜…。だから俺、好きになったんだけど…」
亜美「…ん?ごめん、聞こえなかった。もう一回言って」
でも、紫原くんは黙ったまましばらく話してくれなかった。
ようやく紫原くんが顔を上げた時には私は紫原くんの腕の中で…。
紫原「ねぇ大好きなんだけど…。」
亜美「…え!?」
大好き!??
絶対私の聞き間違いだ…
でも、そんな私の考えはあっさり覆された。
紫原「俺、亜美ちんの事大好きなんだけど、どうしよ〜」
亜美「紫原くん…それ本気で言ってるの?またいつもの冗談だよね?」
紫原「えぇ〜本気本気!マジで大好きだって〜。」
ぷぅっと頬を膨らませてまたぎゅうっと抱き締めてきた。
亜美「そ、そんな可愛く告白されても…///」
紫原「え、俺が可愛い?亜美ちんの間違いじゃなくて?」
亜美「そんな私自意識過剰じゃないよ!」
紫原「あははっ、亜美ちん怖〜………。」
紫原くんは急に黙ると私の頬に手を添えてきた。
亜美「………?」
紫原「亜美ちん、すげぇ綺麗…。マジで好き…」