第2章 "冷静ではないです"
亜美「あの、黒子くん、この本は…?」
黒子「あぁ、これは、あそこの棚です。」
亜美「あ、ありがとう!」
結局自分だけじゃ一日がかりでも終わらない気がする…。
(黒子くんがいてよかった…)
そう思い、また黒子くんに本の棚を聞こうと近づく。
が、
亜美「黒子く…!え、ちょっうわっっ!!」
下にあった本に気付かずつまづいてしまい振り返った黒子くんの腕の中にダイブしてしまった。
柔軟剤のいい匂いが鼻をくすぐる。
黒子くんはいつものポーカーフェイスのまま、
黒子「大丈夫ですか?あなたは本当にアホですね。」
亜美「っな!!」
アホって!
いくらなんでもひどい!
そう思って黒子くんを下から睨みつける。
黒子「あぁ、すみません。そう怒らないで下さい。ほら」
何をするのかと思ったら黒子くんは優しく私の体を抱きしめ頭を撫で始めた。
顔が赤く染まる。
亜美「く、黒子くん!?っ離して!!」
恥ずかしさから黒子くんの腕の中でもがいた。
でも、黒子くんはさらに腕に力を入れる。
黒子「離さないっ!」
ハッキリとした大きい声でそう言った。
急な事でビクっと私の体がこわばる…。
その時。
"キーンコーン カーンコーン"
授業の始まりのチャイムが鳴った。
でも黒子くんは私の体を離そうはせず、耳元で静かに言った。
黒子「亜美さん、一緒に悪い事…しませんか?」