第2章 "冷静ではないです"
黒子「亜美さんは、バスケ、好きですか?」
ずいぶん唐突な質問…。
亜美「うん、大好きだよ」
私は即答した。
本心から好きだと思うから。
そんな答えを聞いた黒子くんは安心したように笑った。
…いや、ように見えた。
…なんか、昨日から黒子くんの新しい表情沢山見てる…。
笑った顔、怒った顔、優しい顔…。
私は黒子テツヤという人間を誤解していたのかもしれない。
ミステリアスでポーカーフェイスで…。
見た目からして趣味は読書。
今まで私はそれしか黒子くんに対しての印象がなかった。
いつもはすぐに見失ってしまうけど、今はハッキリ黒子くんがわかるよ。
しばらくお互い無言の中、先に口を開いたのは黒子くんだった。
黒子「あの、今日の放課後…。あいてま…」
"バンッ!!"
赤司「誰かいるのか!!」
黒子くんの言葉が遮られ突然体育館のドアが開けられた。凄まじい音がする。
声は赤司くんのようだ。
亜美「あ、赤司くん…!」
赤司「亜美!それにテツヤも!……関心だね。二人だけで朝練かい?」
笑ってるけど目は笑ってないよ赤司くん…!
そういえば、朝練を早めに来る時は一言連絡しろって言われてたんだった…!!
(やばい…!さすがにやばい!)
ちらっと黒子くんの顔を見る。
黒子「………。」
顔死んでるーっっ!!
さすがのポーカーフェイス黒子も赤司くんには頭が上がらないようで…。
私でもわかる真っ青な顔。
なにか…!なにか答えなきゃ!
亜美「あ、あの!私から黒子くんを朝練に誘ったの!朝1番の方が他の部員もいないからって…」
我ながらチンケな言い訳です…。
こんな言い訳、赤司くんに通じる訳ないのに…。
赤司「そうか、次早く来る時は一言連絡しろ。じゃあ。」
つ、通じたー!!?
絶対赤司くんの説教タイムが始まると思って覚悟してた…。
…今日は赤司くん、機嫌いいのかな。