第2章 "冷静ではないです"
亜美「………え?!」
急いで振り返る……が…。
(誰も……いない…!??)
そこには人っ子一人いなかった。
首を横に振り、辺りを見渡す。
キョロキョロ…。
黒子「首の運動ですか?亜美さん。」
亜美「うわぁぁぁ!!!く、黒子くん?!」
目の前にはさっきまでいなかった黒子くんの姿があった。
私は驚きのあまり黒子くんから2、3歩下がった。
黒子「そんな驚かなくても…。なんか嫌な気分です…」
私の顔を覗き込みぷぅっと頬を膨らませる。
(か、可愛い…!)
この雰囲気に合わない事を考えてしまった。
だって黒子くんがこんな顔するなんて…考えられない…!
黒子「亜美さん?…ニヤニヤしてどうしたんですか?…気持ち悪いです。」
亜美「き、気持ち悪いって…!」
…前言撤回。
見た目によらず毒舌です、この人。
黒子「それにしても今のシュートお見事でした。バスケの経験があるんですか?」
黒子くんは私からボールを受け取るとドリブルをし始めた。
亜美「うん。小学校の時にクラブでやってたの。短い間だけどね。」
黒子くんが私にパスを出す。
私はそれをタイミング良く取り黒子くんにパス。
黒子「そうですか…。……あの。」
黒子くんはボールを受け取ると少し黙った。