第17章 しんろそうだん2
入学した時、やたら目を引かれる女子がいたのを覚えている。
少し俯いていて、大人っぽくて、たまに見せる隙が可愛い。
いつも一人で、部活もしていないし委員会も何をしているのかわからない。
クラスも違うし、関わりなんか一切なかったが、とにかく気になった。
いわゆる一目惚れ、というやつだとわかったのは割と最近のこと。
そのあとすぐにコーチと付き合ってるのを知って、俺の淡い恋は幕を閉じたわけなのだが。
その張本人が相談を持ちかけてきた。
(やばい…)
真っ白な肌、綺麗な瞳と睫毛、ほんのり赤い頬、綺麗な唇、細い手足。
(近くで見るとますます可愛い…)
ぼーっとそんなことを思っていた。
彼女は進路に迷っている、というより何も考えてなかったという。
普通、漠然とどういう風になりたいか最低限イメージしてると思うが、るるさんは、最悪明日死んでも大丈夫、と言わんばかりの何も考えてない状態だった。
結構変わってるとは思ってた。
雑誌も見ない、テレビも見ない、スマホも最近貰った、友達もいない。