• テキストサイズ

迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第2章 キスとからあげ


帰りの車でもたまに手を繋ぎ、冗談を言ってはくすくすと色っぽく笑うるるを横目に見た。
荷物を運び入れ、部屋着に着替えて早速晩飯を作ってくれる。
親が旅行に行ってから5日、漸くまともな飯にありつけた。
それはるるも同じで、
「まともな食事を当たり前に取れることに感謝しなくては…」
と両手を綺麗に合わせてぼやいていた。
お互い日中出来なかった掃除を終え、風呂から上がると、自然とそういう雰囲気になった。

ーーーという言い訳をしたい。

夜遅く、男女同じ部屋で何もせずにいられるほど俺は大人ではなかった。
気持ちを誤魔化すように煙草を3本消費すると、テレビを見つめてた彼女が心配そうに俺を見る。
こっちは必死でそういうアプローチを避けているというのに、その瞳は、どことなく誘ってるようで……。
(ヤバい、警察行きになる、落ち着け)
「繋心さん」
煙草の箱に手を伸ばしたのをそっと制止される。
触れ合った指から身体に血液が一気に流れる。
「…ぁ、悪ぃ…」
中学生か俺は…!
「スポーツしてるなら、止めた方が…」
「…おう……」
ね?と首をまた傾げる。
その仕草と、ふわっと髪から香る同じ匂いが、俺の理性をぶつっと切った。
気付くのは遅く、既にるるは俺の下にいた。
何年ぶりだろうか。
心臓の音が相手に聞こえそうなほどになったのは。
/ 708ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp