第2章 キスとからあげ
るるは驚いてはいるが、決して拒む様子はない。
全てを受け入れる覚悟をしているようにすら見える。
こうなってもまだ余裕なのが段々苛つかせていく。
頭に血が上っているせいで、考えなしに床に倒れている彼女に口付けた。
ずっと年下の癖に。
俺ばっかり余裕がない…。
リップ音を立てて唇を攻めると、少しだけ口が開く。
すかさず舌をねじこむと、彼女の口内を堪能した。
「は、ぁ…」
やっと余裕そうなその表情が崩れて歪んでいく。
眉間を寄せ、赤らめた頬、漏れる吐息。
どれも俺をますます興奮させる。
下腹部に血液がドクドクと集まる。
上顎を舐め、歯列に舌を這わせ、ぐちゅっと音を立てて舌をすする。
「んんっ…」
指を絡ませ合い、その歪んでいくあまりにも色っぽい様を一通り楽しんだ。
煙草がにおうのか、時々ふっと息を止める音がする。
それもまた、エロい。
昨夜とは違ってどことなく初々しいキスは、年相応で可愛らしく思えた。
胸をトントンと叩かれてやっと解放してやると、涙目で困った表情を向けてくる。
なのに、なんでまだ余裕なんだ?
わざとこちらに隙を見せれる?
「…はぁっ」
熱い吐息を漏らすと俺の首に腕を回すと彼女から口付けてくる。
ちゅっと唇、舌先を吸い、こくりと俺の口内から集めた水分を飲み干す。
それでも、どこか、下手くそで。
(ヤバい、抑えられない……)
お互い交互に繰り返し口だけを楽しむと、生理的な涙を流しながらるるが見上げてきた。
「繋心さん、続き、しなくていいんですか?」
俺にもう余裕がないことをわかってわざと聞いている。
垂れた前髪をそっと細い指がかきあげ、耳に触れる。
「お前…、どういうつもりだ?」
策士のような戦略に段々腹が立ってくる。
いつだって年下のコイツが優勢。
膝を曲げると俺の固くなったモノに丁度当たる。
「あっつい…ドクドクしてる…」
吐息混じりに甘い声で呟く。
頭の奥がじんと痺れて酔いそうになる。
「クソっ……」
己のプライドが翻弄されていることを許さない。