第96章 【番外編】なんて嫉妬深い王子様
上塗りされるように触れる指に、すぐに感じてしまう。
もう何度も果てたせいで、爪先から頭までじんじんと痺れるような感覚に襲われる。
汚さないようにとまくられた布から、繋がっているところが少しだけ見えて、余計にぞくぞくと煽られてしまう。
「あっ…は、また、またきちゃう…っ」
使われていない机が埃をたてて軋んだ。
なんて嫉妬深い王子様なんだろう、と。
でもそれが嬉しくて、首に回している腕によりいっそう力を込めた。
お腹の奥がまたきゅっと縮み、カタチをますます感じる。
邪魔になった布を全て剥がされ、寒いはずなのに汗ばむほど。
彼も身に付けていたジャージを投げ捨て、肌全てを密着する。
綺麗に編み込まれた髪も乱れ、激しく愛し合っていることを物語った。
「ああぁぁ…っ!!ふ、ぅ、も、だめぇ…っ!!」
「まだだ…っ」
「んっ!!っ、ぁ、く…!」
また上書きされるような熱い口付け。
蜜のような濃厚さに、うっとりと流される。
いつもの煙たいにおい。
本当は苦手なはずなのに、それすらも好きで仕方ない。
もっと深く、神経だけで繋がりたいほどなのに、皮一枚隔てていることすらもどかしい。
気づけば、カーテン越しから、夕暮れすらさしこまない。
珍しくお腹に注がれるソレを幸福に思ってしまう。
拒むことすら出来ない。
苦しそうなその眉間に指をはわせ、そっと意識を手放した。