第11章 傷痕
所詮中学生。
そっちの知識なんて全員たかが知れてる。
それでもるるの慣れた手つきや反応は、いくつも上手だとすぐにわかった。
「やっば…!!お前が仕込んだのか…?」
「さあ、どうでしょうね」
なんとなく自分の手以外が加わっているのを知られるのが悔しくて咄嗟に誤魔化した。
るるを一睨みすると、少し憂いを帯びた顔をし、いつもの達観した姿勢に戻る。
「もう1回シますか?」
首を傾げ、耳に髪をかけながらゆっくりと聞いた。
「い、いや、俺はもう……」
「るるちゃん!こっち!」
「あっ…もうこんなに……」
じゅるっと音をたてて先端を飲み込む。
ソイツの弱いところを見つけると、すぐに仕掛けてあっという間に放出させる。
「るるちゃん、うっ…!の、飲んで!飲んで…!」
「ふぁっ…」
こくりとわざと音を立てて綺麗に掃除して終わらせ、鮮やかな技を見せられた気分だ。
でもそうじゃない、もっとこっちは、怯えて歪む顔が見たいのに…。
「るる、いつもみたいに自分がシてるところ見せて?」
るるは俺の顔を見つめる。
そんなこと、言ったこともさせたこともない。
果たしてどんな風に答えてくれるのか。
「……酷い、私、そんなことしたことないのに…」
「おい、及川…!」
「るるちゃん可哀想だろ…」
「……」
ほんと、良くわかってる。
どうしたら自分に靡くか。
あの空気では、毅然として言われるが儘してればいい。
反抗するより、満足させる。
そして時折可愛い顔すればこっちはすぐイチコロになる。
ほんと、良くわかっててムカつく。