• テキストサイズ

迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第91章 【番外編】浸食


「ま、まっ、待って…!!」
「あ?」
柄の悪そうな顔が面倒臭そうに見下ろしてくる。
「なんで」
「な、なんか、変で…」
「待たねぇ」
「え!?ちょ、ちょっと…!」
もう蕩けきったそこに、ズシンと圧迫感が走る。
「んっ……ぁ……」
別にハジメテでもないのに、その人のだけはどうしても受け入れるのに慣れない。
怖いわけではない。
でも、ある意味では怖い。
「あっ、や、やだぁ…!」
だからつい否定の言葉が出てしまう。
それはあまりにも優しくて、満たされる…。
逞しい筋肉のついた腕が、ぎゅっと私を包む。
出てくる声が恥ずかしくて、必死に我慢しようとする。
ちゅう、と音を立てて首を吸われ、擽ったさに身動ぎする。
なのに、お腹の奥はどんどん熱くなった。
煙草のにおいが嫌にならない。
むしろ煙たさがどこか心地いい。
「んんんっ!あっ…、ああっ…!!」
「いつもの余裕はどうしたよ」
にやりと耳元で、顔は見ていないのに笑ったのがわかる。
「やだ…、こわい…っ、おねがい、い、痛くして…っ!」
「はぁ?」
「だ、だめなの…!きもちよすぎてっ、こわいの…!
痛くして…こわして…!」
必死にお願いした。
このまま、依存して戻ってこれそうになかったから。
簡単に果てる身体は、ぽたぽたと蜜を滴らせる。
いつも無理やり切り開かれて、無理やり引き摺り出されるモノとはまるで違う。
私の奥が心から望んでそれを欲しがっている。
それが、なんとなく、怖くて。
/ 708ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp