第89章 【番外編】いつもどこでも【一周年記念】
「一緒に、通えてたらよかったのに…」
ついそんなことを言ってしまう。
「やめとけ、今よりガキ臭くて面倒だったぞ」
「きっとそういうとこも好きでした…」
「見てないから言えんだ」
「ううん、絶対!誰にも負けないです…」
「……」
悔しくて、どうにも出来ない。
私がどれだけ想ってても、知らない部分があるのが寂しい。
空白の時と、空白のボタンホール。
同じようで、ちょっと違う。
モヤモヤしたまま、そこに指を這わす。
そこで漸く気づいてくれたのか、私の頭をそっと撫でる。
「俺だって…お前と一緒だったら、あんなツラい思いさせなかった…!」
「…っ!」
私は絶対の自信を持って思う。
きっと、どの年代で会っても、この人が好きだろうと。