第88章 【番外編】ソレイユ
自分もまた、るるの腹に溜まったモノを吐き出した。
「あ、あ…、そんな、の、ずるい……すきすぎてしんじゃう……」
また可愛いことを言ってくれる、と照れ隠しにムッとしてしまう。
青白いテレビ画面は、カウントダウンが開始していた。
もうすぐ今年が終わる。
テレビで花火が打ち上げると同時に、窓の外もピカピカと光る。
「花火……」
「近いな」
「綺麗ですね…」
「ああ」
「繋心さん…、今年もお世話になります…。
不器用だし可愛いげもないですが、また1年愛してくれますか…?」
とろけた顔で、そんなことを言われ、否定なんか出来るわけがない。
一本取られたと笑い、
「当たり前だろ」
と返した。
目を細めて嬉しそうに笑うるるに、また口付ける。
やがて深くなっていき、青臭いガキのようにがっついたのは、記憶に新しい。
花火の音でかき消されるその嬌声は、何時間も途絶えることはなかった。