第10章 初恋
次の日、るるは先に出たらしく、俺は久々に一人で登校した。
でも、学校にもいなかった。
部活に顔を出し、放課後許可を貰って探した。
それでも見つからなかった。
家にも帰っていない。
親が少し心配している。
夜9時頃にやっとそれらしき姿を公園で見つけた。
「帰ろう?」
そう声をかけると、彼女は必死に逃げようとした。
捻ってる足首を庇って足がもつれ、公園の砂利道に倒れこむ。
白い肌に擦り傷が浮かび上がった。
「ほら、帰って消毒しないと」
「や、さわらないで…」
カタカタと小刻みに震える。
恐怖に歪んだ顔。
たまらず抱き締めて、細い首に顔を埋めた。
「大丈夫。
全部何もかも、俺とるるの秘密だよ。
誰にも言わないから。
でも、次逆らおうと思わないで、ね?」
釘をさすようにゆっくり、まるで小さな子供と約束ごとをさせるように優しく囁いた。
るるはこくこくと頷くと、大人しく手を繋いで歩いてくれた。