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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第84章 【番外編】狼なんて怖くない


まだ保健室が空いてるなら湿布とサポーターを拝借しよう。
背中に乗るようしゃがんで促したが、長い時間同じ体勢だったせいか痛むのだろう。
「…っ!」
諦めて首に腕を回すように言い、所謂お姫様だっこをする。
るるの軽い身体がやんわりと両腕にのった。
人に見られるのも気まずい。
急いで保健室の方向へ走った。
まだ鍵が開いていたのか閉め忘れたのかわからないが、薬品臭いその扉をくぐる。
部外者が使うのも気まずい。
内側からカーテンをし、鍵を掛けた。
一旦照明を付け、薬品棚から貼るタイプのもののコーナーを探す。
「ほんと、ごめんなさい…っ」
「次から気を付けろ」
やっと使いかけの袋を探すと、熱をもったそこに、独特の臭いのそれをぺたりとつけ、簡単なテーピングを施した。
「……慣れてるんですね」
「まあしょっちゅう手当てしてるしな」
「……」
るるが僅かに眉をひそめると、ふんわり薔薇の香りがする。
さっき月島から貰っていたやつか。
「繋心さん……」
ぐらりとその表情が色気で揺らぐ。
さすがにここはまずいだろ……。
「た、たてないの、もう一個理由が、あって……」
「……」
「その、熱くて…っ」
なんの躊躇もなく、着ているものを床に落としていく。
「もぅ、我慢できない……」
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