第82章 【番外編】幸せになります2
私が繋心さんの知る面積が広がれば広がるほど、どんどん好きになる。
例えば、人に見せない優しさとか。
たまに子供っぽく笑うところとか。
言ってくれる言葉はいつでも大人なところとか。
私の為にいつも服にお菓子を入れてくれているところとか。
夜の、そういうところとか。
下ろされた髪が、肩にあたる。
少し伸びたそれがくすぐったい。
昨日会えなかった分の距離をつめられるように、いつもよりきつく手を絡めてくれる。
こういうのも、知ってるのは、私だけなんだという、独占欲の塊みたいなどろりとした気持ちが満たされる。
付き合いが長くなれば、相手の嫌なところがわかると、他の人に言われたことがある。
でも、好きなところがわかっていくことの方が多い。
なんて、大切な人なんだろう。
指がコツコツと当たる。
「ひぁっ!!」
「子宮口、当たってる」
「…っ、あっ、きもちいぃ……」
「また締まった」
「ぁ!だって、ずっと、いってるぅ…っ!!」
爪先まで力が入ってしまって、太ももに生温い水が流れていく。
はしたなく口からも溢れてしまった物が、服を汚していく。
「はぁっ、あっ…!!」
「今、出したら…、デキんのかな?」
「っ、ん…っ!」
不安に思いながら、上にいるその人を見る。
「まだ、独り占めしていたいのにぃ…」
思いの丈をぶつけると、少しだけ、いつもの子供のような笑顔をみせる。
指が痺れるくらいにぎゅっと握られ、口付けられる。
どくどくと脈打ちながら、お腹の上にかけられた。
少しだけ預けられる体重が、凄く好き。
染み付いた煙草のにおいが、私をぞくぞくさせる。
汗のにおいが、私のなかを疼かせる。