第82章 【番外編】幸せになります2
夜中のリビングで待ってたら、その人は帰って来た。
いつもやっぱり、嬉しい。
「おかえりなさい」
「おう」
「なんか食べますか?」
「今日はいい」
素っ気ない会話だけど、それが嬉しい。
「ガキの味方はしてきたか?」
「気にしてくれてたんですね」
「腹立つガキだったな」
そういう悪態はつくクセに、本心は凄く心配していて、優しい。
もう少し素直になればいいのに。
そう思うと同時に、その本心が独り占め出来る居心地の良さを取られたくなくて、そのまましまいこむ。
「徹さんに言われました。
皆寂しいからそういうことをしてしまうって。
ありがたいことですね…」
「……お前はな」
「でも、繋心さんの家族にもきっと、そう思う人がいるんじゃないですか?」
「ねえな…。結婚を急かされて早何年か…」
「そっか…」
「お前を逃がしたら見合いが待ってるぞ、と脅された。
死んでも追い掛けるぞ」
「逃げませんよ!」