第82章 【番外編】幸せになります2
練習の休憩中、ぼんやりと体育館を眺めていたら月島くんに話し掛けられた。
「コーチは、割りと甘える方?」
「……っ!?」
「先輩に対して」
「……な、なんで?」
「指輪の跡、痣になってるけど。
そんだけ強く残るってことは、シてる時に手繋いでるんでしょ?」
「ぐっ……!」
恥ずかしくて、つい顔を伏せてしまった。
これでは答えを言ってるようなものだ。
「……」
そして何故か急に悔しくなる。
私しか知らないところを見られているかのような。
「月島くん…、あげないからねっ!」
「いりませんよ煙草と汗臭いオッサンなんて」