第79章 【番外編】大人と子供
真っ白な雪のお正月を迎え終えたところで、成人式本番だった。
知り合いもそんなにいないし、行くつもりはなかったけど、おばさまの着付けしたいから!というお願いに屈して、私と徹さんはそれを着て一通り親戚回りをさせられた。
お昼からの式典に参加して、ヨロヨロで帰宅したと思えばそのまま繋心さんのご実家とおじいさまの家を渡り、空きっ腹にお酒を流し込まれて漸く帰宅した。
「ううっ、吐く…、むり、むりぃ……」
「吐くって言えるうちは吐かねえ」
「……うそ…」
「マジ」
クリーニング代を考えると、なんとしても我慢したいと必死に抑え込んでなんとか横になった。
お着物は今度でいいから、というおばさまの言葉がとても助かった。
恐らくこうなることを予想してくれていたのだろう。
徹さんから、
『地元の飲み会は行く?』
と短いメッセージが来ていたが、中学時代の知り合いなんて怖い女の子達くらいしか記憶にないし、やんわり断った。
皺になってはいけないとやっと起き上がって、水を飲もうとしたところで、繋心さんがちょっとムッとしながら煙草を吸っていることに気付く。
「どうしたんですか?」
と聞いたところで、1枚の写真を渡された。
おばさまから貰ったこの前の写真で、ばっちり、徹さんにビックリして見つめ合ってる写真も送られてきた。