第77章 【番外編】甘えて欲しい
そのまま全身の体重を預けられ、後ろのクッションに倒れる。
こんな繋心さんは滅多に見られないし、何より凄く嬉しい。
お互い年の離れた関係で、役割分担がしっかり決まってしまっているから、こうして逆転するのはどことなく喜びである。
「かわいい…」
笑いながら遊んでいたら、頬にキスされ、服に手を入れられながらゆっくり背中を撫でられる。
同じ年かその下の彼氏がいたらこういう感じなのかな、それもまた可愛いな…と傍らで妄想しながら一心な甘えを受け入れる。
たまにくすくす笑われるのがたまらなく愛おしい。
ふわっとするアルコール独特のにおいと、髪からする煙草のにおい。
そこがいつもの彼で、それはそれでやっぱり可愛い。
「もぅ、しょうがないですねぇ…」
私もそっと暑そうに羽織っているシャツを脱がし、少し固い髪をゆっくりと撫でる。
耳の際を、ちゅ、ちゅ、とリップ音を立てながら口付けられ、顎に指を添えられる。
「……っ」
お酒で赤らんだ顔が照れているようで、すごく、可愛い。
見ていたいのに恥ずかしくて目線を外した。
「な、なんですか?」
顎をくいっと持ち上げられると、優しく唇にキスされる。
いつもとは違う甘すぎる雰囲気に、照れを通り越して、違う感情が身体に沸き起こる。
「ん、ん…」
もどかしいほど優しいのに、どこか物足りない。
「んぅー……、繋心さん、さわ、って…」
頭がもう沸騰しそうだったから、自分から下着を脱いで真ん中に手を誘導する。