第77章 【番外編】甘えて欲しい
「るるちゃん」
深夜1時。
なかなか帰ってこない繋心さんを心配していたところで、酔いつぶれたその人を渡された。
「あ、こんばんは!」
「なんか今日やけに無理してて…なんかあった?」
心当たりもなく、うーん、と返事をする。
後はよろしく、と言われて玄関が閉まり、私もお礼を言いながら鍵をかけた。
「繋心さん、お帰りなさい。
どうかしたんですか?」
「んー」
「んー、じゃわかりませんよ?
歩けますか?」
よいしょ、と肩に腕をかけてなんとかリビングまで連れてきた。
明日は土曜日で、お店も自分はお休みだと聞いていた。
まあいいか、と思いながらお水を用意して持っていく。
「飲めますか?」
加減がわからないわけでもなし、本当に珍しいと思った。
すっと、胸に寄り掛かってくる。
「甘えたですかー?」
いつもは自分からしか甘えないから、なんとなく嬉しくなって、男性らしい肉の少ない頬をつつく。
(私、今すごいにやにやしてる……)
素面だったら恐らくからかわれていたであろう。
「わっ!」