第68章 【番外編】泡沫のクリオネ
空気が白けないようにカクテル一つを頼み、念のためにお茶も頼んでおいた。
何人か見ない人がいて、他所のサークルと合同にして、団体割引にしたかったそうな。
「るるさんは今実家なの?」
「彼氏と同棲してます」
「マジかよー!」
「めっちゃ怖い人だからね、手を出さないように…」
「…怖くないですよ!可愛いですよ!」
必死に反論したが、見たことある全員が、いやいや、と否定する。
こういうとこ誤解されるんだよね…と文句をしまいこみながら、ちまちまとおつまみを食べる。
一杯のカクテルしか飲んでいないはずなのに、後半の記憶はあまりない。
ちょっと気持ちいい眠気に襲われて、目が覚めたら、薄暗い部屋にいた。
「ん……」
伸びをして起き上がると、知らない男の人がいる。
ゆったりと大きめなソファで寛いでいる彼は…、多分、他所のサークルの……なんとかさんだ。