第65章 【番外編】極夜
「……だめだ……」
あまりの気持ち悪さに、トイレで食べたもの全て吐き出した。
学校の昼休み過ぎてのことだった。
インフルエンザだと大変だ。
予防は勿論したけれど、型が外れることもあるらしい。
保健室で検温するが、微熱程度。
漢方薬が効いているのか、これから熱が出るのか。
それにしても落ち着かない。
ベッドに横になっても座ってても気持ちが悪い。
「あー……帰ろうかなー……」
一応繋心さんにメッセージをしてみる。
今回ばかりは申し訳ないが、車で帰りたい。
「寝不足か?」
「……あ、そうかもしれませんね…」
「薬局でスポドリと薬買うか」
「病院行った方がいいかな……」
「やめとけー、この時期は病気貰って帰るリスクのが高いから」
それもそうだ。
高熱もまだ出ていない。
行くとしてもすいている時間帯を狙うか、きちんと予約をしたほうが良さそう。
ちょっと寝たら良くなるかもしれない。
「ついでになんか食うか?
菓子とか…空きっ腹だろ?」
「あー……さっぱりしたやつかなー……」
「チョコとかいらねえのか?めずらしー」
「うーん」
自分の身体ではないような違和感に、頭を抱えるしかない。
いつも食べているお菓子すら気持ち悪くなりそうだ。