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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第64章 【番外編】狭い小さな檻


「なん!で!だよ!!!」
ドン、と大きな音を立ててジョッキをテーブルに打ち付けてしまった。
「カレシの実家は不満か!?」
「いや、どー考えても不満でしょ」
「………だよな…」
前に暮らしたときもそれなりに色々覚悟してくれていたのだろうか。
それでも、今までは喜んでいたはずなのに、何故今回に限ってはウチではないのか。
申し訳ないがそれに関してはこちらが不満しかない。
「嫌ならイヤって言ってくれればいーじゃねーか…」
「言えないもんだよ」
全くフォローになっていないフォローを嶋田に入れられる。
頭を抱え、一気にビールを煽る。
きっと自棄になって何を言ったかなんて覚えていない。
数少ない彼女に対する不満を、グチグチと女々しく伸ばして言ったに違いない。
罪悪感と胸くそしかないまま、実家の自室で横になったのをうっすら覚えている。
携帯に入った、
『1日お疲れ様でした、たまにはゆっくりしてください(о´∀`о)』
という一文に、ますます胸を締め付けられるようだ。
アイツは今頃、及川と顔を合わせてなんて会話してんだろうか。
眠れないくらいにイライラとしていたはずなのに、アルコールの力で、すぐに夢の世界に誘われてしまった。
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