第7章 本音とオレンジジュース
急にるるが余裕なく聞いてきた。
たまに見せる年相応な、ちょっと上擦って不安そうな声。
そういう時の彼女はいつもよりあどけなくて可愛い。
「なんだ?」
聞く姿勢を見せてみたものの、るるはなかなか言い出さない。
口をぱくぱくとさせては、急に止まったり、まるでどう言い回すか考えているようだった。
「そのまま言えよ、聞いてやるから」
「……じゃあ、あの」
煙を吸いながらその続きを待った。
「あの、男の人って、ハジメテの女じゃないと気持ち悪いんですか?」
あまりの質問に吸ってる煙が変なところに入り、そのまま咳き込んだ。
「だ、大丈夫ですか?」
るるが背中をさすってくれる。
「なんちゅーこと聞いてくる…!」
「ごめんなさい…!
ずっと、気になっちゃって……。
繋心さん、気持ち悪かったかなって……」
「ああ?」
しゅんと涙声になる隣の小さな背中。
「傷も、ついてるし……。
徹さんに、言われて……」
本当に、コイツは、バカで小さくて……
なのに抱えてるモノは人一倍でかいし重い。
悲しいのか可愛いのか、何もわからない。
ただ抱き締めたくて、本能のままにその身体を覆う。
ちゅっと少し体温の低い唇を塞げば、それだけでこっちはもう持たないっつーのに。
空いた華奢な手を掴んで、すぐにソコに誘導した。
「!」
「…気持ち悪いなんて思ったことねーし、どんなお前見てたってすぐこうなんだよ。
わかったか?」
彼女らしくもない、真っ赤な顔でコクコクと無言で頷いている。
余裕ないるるを見てると、ますます血液が集まってくるのがわかる。
全身の血液が、熱くなっていく。
「そういうわけだ。
部屋戻って楽しもうぜ?」
耳元で低く囁くと、目も合わせずに真っ赤になりながら、るるはゆっくりと、1回だけ頷いた。