第7章 本音とオレンジジュース
3個目のゴムの封を切る。
下で組み敷いている相手はくったりと四肢を垂れ、白い肌はほんのりと赤みをさしていた。
「…っ」
隙間がなくなるほどみっちりくっつくと、照れたように顔をそらす。
「こっち見ろコラ」
「…ゃ…」
浮いた腰を掴んですかさず最奥に挿入れると、掠れた悲鳴が部屋に木霊する。
「あっ、だ、ああっ…!!」
たったそれだけでびくびく痙攣すると、シーツに水溜まりを作って果てた。
「さっきからヨガってんな…」
ねっとりとしたキスをすると、余韻のせいか気持ち良さそうに目を細めた。
手を握る、背中の隙間から手を回す、ますます密着すると、きゅっとナカが狭まる。
「あっ、だ、だめ、ひやぁ…っ!」
「どーした?」
「あああっ…!きもちぃ…っ、あっ、おかし… 、あっ…!」
「やっとわかったか?
好きなヤツとすると、こんなにイイんだ。
そこにハジメテもクソもねえ」
「んっ、…うっ…すき、すきぃっ!」
それだ。
余裕のなくなる行為。
彼女にはそれがなかった。
いつもどこかで俺のツボや、好みを探っていた。
好かれたいというよりは、接客やそういう店でのやり取りに近い。
生きてきた背景で自然に身につけてしまった悲しい特性。
今やっとそこから解放してやれた気がする。
「俺の前で嘘つくな。
演技もするな。本来のお前を見せろ。
全力で愛してやる」
ナカがきゅっと締まる。
甲高い悲鳴と一緒に、ドクドクとゴムに熱いものが流れていく。
痙攣する小さな身体を抱き締めると、さっきの言葉に反応したように、嬉しそうに微笑んだ。