第54章 【番外編】しづ心なく花の散るらむ
曇りガラスを開ければすぐに布団に転がせる。
空調の効いた部屋が少し涼しい。
それでも体内は熱いまま、吐き出そうと懸命に抽挿を繰り返す。
ひくひくと奥の入り口が物欲しそうに開くのがわかると、すかさずその狭いトコロに捩じ込む。
「あっ、ひああああ…!!!」
己のカタチに歪む腹を上から触ってやれば、更に声が上擦る。
「ら、らめっ!!それぇぇっ!!
きもちいっ…はぁん、おかしくなるぅう…っ!!」
脚を開かせ、更に奥に行き、掌でぐっと先のあるところを押す。
ごりゅっと音のしそうな程に、ナカが変形して抉れる。
「あっ!!やぁ…ぁっ!!
ぁああ、きちゃ、きちゃうぅぅ…っ!!!」
もう何度目かわからない快楽を全身で味わうと、蜜がまた溢れてきた。
敷いたバスタオルが水分をどんどんと吸収していく。
「はぁ、あっ、ん…」
寂しそうに開いた口を塞いでやれば、満足そうにそれだけで達していく。
更に締め付けてくるナカに、肌が汗ばんでいく。
舌を甘く噛みながら吸ってやると、気持ち良さそうに目を閉じる。
長い睫毛が鼻筋や頬を掠めてどこかくすぐったい。
もったりと腰を占領する射精感に身を任せ、ずるりと音のしそうな勢いで引き抜いた。
すかさず、腕に抱いていた乙女は出されたソコに口を寄せ、ごくごくと美味しそうに音を立てて飲み干していく。
「…ばかっ…!」
最後にきつく吸われ、道に残ったモノを勢いよく出される。
「ん、はぁ…はぁ……」
赤い顔で口端から滴る白を指で掬って、息を整えながら淫靡に舐められる。
その視覚的な刺激で、また反応する下腹部が若干憎い。
せっかくの旅行でもゆっくり眠ることは儘ならないのだと、ようやっと悟った。
彼女は、羽衣を奪われた天女の皮を被った淫魔だ。
あんなに激しく熱く抱いてやったのに。
あんなに逝ったはずなのに。
「も、もういっかい……」
なんて耳元で囁いてくる。
少し生臭い唇のまま濃厚なキスを落とされた。
完全に自分が下になり、びしょ濡れのバスタオルに転がされる。
彼女がいつも俺にシてくれるような、絡まるような口付けだった。
帰る頃には、干からびてるかふやけているか、そのどっちかなんじゃないかと思った。
細い身体に似つかわしくない豊満な胸にしゃぶりつき、後ろに仰け反るのをじっと見ていた。
あまりにも綺麗な夜桜と旨い美酒に酔った一夜の出来事だった。