第53章 【番外編】深層心理
「相談してくれると、信じていたんです。
何回も、言ってます。
私にとって繋心さんは道標であり、例え何があってもついていくと」
「……!」
「繋心さんのことですから、自分がされて嫌なことはしない、と思ったんですよね……」
「……悪い」
「優しい…好き…」
後頭部にそっと、柔らかな彼女の腕が回る。
優しく抱き締められ、豊かな胸元に顔が埋まる。
慣れているはずなのに、なんだか照れ臭い。
「お、おい……」
「でも、雇ったのは、女の子ですか、そうですか」
「!!」
「健気で可愛い子でしたねぇ」
「いや、野郎も雇ってたんだけど、アイツ、バックれやがって……」
じたばたとその柔らかな包囲網から逃れようとするが、罪悪感と後ろめたさで上手く退かすことが出来ない。
あまつさえ、例のあの子には好きだとも言わせてしまった。
「私以外の女の子とお仕事出来て、楽しかったですか?」
「そ、そんなわけないだろ…!
お前が!るるが!宇宙一可愛い!!」
お世辞ではなく、素の言葉だったが、酒を入れていない脳ミソでは、耐え難い羞恥プレイであった。
(どうにでもなれ!)