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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第52章 【番外編】春眠暁を覚えず


というわけで持ち帰ってテーブルに置いてみる。
俺が言うのは間違っているかもしれないが、あのド変態なら使ってくれるような気がする。
そううっすらと予想はしていた。
「ご飯にしましょー…って、それ、何ですか?」
「お前に土産だって」
「へえ、お菓子かな?」
そんな真っ黒な無地の紙袋に菓子が入っていたら、まず俺は食いたくないが。
と突っ込みつつ、開封するのを待つ。
「いや、違うらしい」
「??」
るるはゆっくりその綺麗な指先を、男の欲にまみれた袋に入れて中身を見た。
「うぇ……!!?」
かつてここまで汚い彼女の悲鳴を聞いたことがあっただろうか。
「こ、これ、どうしたんですか?」
「や、だから、土産。お前に」
「だれから?」
「たっつぁん」
あ、この答え方、漏れなくたっつぁんが他人の彼女に勝手に大人のオモチャをなすりつける変態になってしまう。
(まあいいか。どうでも)
「マンネリしてるなら使えって」
「ぜったい、いやです!」
「あれ?意外な反応…」
るるはいつもの余裕なんて遠に消え失せ、首を横に振りまくった。
「いやです……」
「別に使うとは言ってねえ」
ここまで、可愛い彼女を拒否させておいて使用するのは躊躇われる。
こういう反応が見たかったわけではない。
好奇心には勝てず、
「使ったことあんのか?」
とだけは聞く。
「……徹さんに…」
あのクソガキ。
どこまでもつきまとう奴の影に嫌気がさした。
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