第52章 【番外編】春眠暁を覚えず
るるは嫌そうな顔を更にしかめっ面にする。
ここまで嫌な顔をするのは、嫌いな食い物を見せた時以来だ。
「やっぱ、イイもんなのか?」
「怖いですっ!
なんか、ずっと、ぞわぞわしちゃうっていうか、うーん」
そのリアクションを見て、いけないと思いつつも、好奇心が沸々と沸き起こる。
「ほー」
「うーん、浮いているというか、うーん…」
るるが唸りながら表現を考えている横で、一つ開封してみた。
昔の彼女とラブホで使った記憶があるよーなないよーなとぼんやりなけなしの記憶力を手繰り寄せる。
グロテスクな見た目とは裏腹に、可愛らしいパステルカラーで彩られたブツを電源に繋ぎ、どこぞにしまったであろうローションを探す。
「るるさん、使いながらレポートしてくれや」
「だから!つかいませ…」
準備万端にしたところで声をかけると、彼女は顔を蒼白にして黙った。