第51章 【番外編】火傷
やっと家に帰ったのは夜10時を回っていた。
自分で顔すら洗えないのをいいことに、至れり尽くせりと殿様ヨロシクなフルサポートの入浴だった。
「明日、何限目からだ?」
「午後だけなので、朝ゆっくりします!
大丈夫ですよ」
もうすぐ春休みらしく、もうまともな授業もそうそうないらしい。
ごわごわした髪を丁寧に洗ってくれる。
人の手でやってもらうのは、こんな気持ちいいものなのかと驚く。
少し見上げれば、豊満な白い谷間が目に入る。
(いい角度だ……)
シャワーで泡を流され、よくわからないトリートメントをされる。
前に説明してもらったが忘れた。
(これが洗い流すやつだっけ?)
風呂から出ても、るるは洗い流さないヤツだとか、タオルしたやつだとか、ドライヤーした後のやつとか、色々使い分けている話をしてもらった。
女は大変だ。
一通り塗りたくられると、背中を先に流される。
小柄な彼女にとっては、男一人を丸洗いするのは結構な仕事だろう。
もうクタクタなはずなのに、健気だった。
前に回り込まれると、いつものうっとりした瞳に見つめられる。
「…っ」
ポンプを押して泡を出す。
首筋からゆっくり手が這わされる。
「…何してんだ」
「……いつも、してくれてるから…」
「そりゃあ、まあ…」
なんだか照れる。
それは、さすがに、洗わないと気持ち悪いだろうし、こっちがやりたいのもある。
上手くそれが言えずに誤魔化した。
鎖骨、胸、腕をゆっくりとやわい手のひらで泡を立てられ、腹にもどる。
「るるさん、あとはやるんで…」
「ダメ」
しっかり生理現象で反応してしまったソレも丁寧にしごかれていく。