第51章 【番外編】火傷
車からケースを降ろし、常連のおっちゃんに何があったか聞かれた。
端的に説明するも
「なんだべ、嫁じゃねえんだ」
と心底がっかりの顔を浮かべられる。
るるは逆ににこやかに笑い、手書きの領収書を切りながら、
「今花嫁修行中なんです。
でもおじさん、私が彼を幸せにしますので、ご安心ください!」
「………」
いつもの切り返しにジジィは俺の顔を見る。
「逆だ逆」
「わーってるっつーの。
お前もそれ禁止な」
「ダメですよ。
私はもう、幸せですから」
よくこんなことを平気で言えるな…。
でもそれは、こちらも同じで。
「俺ももう……」
と、ここまで言って、横でニヤニヤしてるおっちゃんに気付いた。
「どした!はやく、続きは…」
「やらねーよ!!!」