第47章 【番外編】白の王子と黒の騎士
澤村くんは、テーブルを指で叩きながら少しずつ話始めた。
「別に、るるさんが心の底から嫌いというのとはちょっと違う。
俺は、スガをふったお前が、嫌いなんだ」
「……っ!」
知ってるんだ。
(仲、いいもんね…)
「誰が誰を好きになるなんて、わからない。
そんなの普通だ。
それに相性もある。
なんで付き合わないんだ、なんてそんな小学生の女子みたいなことは思わないし言わない」
「……」
「俺は、お前に一喜一憂しているスガを見るのがツラいんだ。
アイツは色々犠牲にした。
本人は隠しているが、影で泣いてるのなんて死ぬほど見てきた。
だから、これ以上犠牲になって欲しくなかった。
進路相談された、勉強を教えることになった、近付けた、それだけでいい、見ているだけでいい。
何回そんな話されたか。
最初は、嬉しそうならいい、そう思っていた。
でもそうじゃないだろう?
お前がアイツをいいように利用してるとしか思えなかった」
「そ、それは…」
「漬け込んだわけじゃない。
それもわかってる。
なんだかんだ、そういう悪女にはなりきれないもんな、るるさん」
どこに向けていいかわからないイライラを、澤村くんは、はーっと吐き出す。