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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第47章 【番外編】白の王子と黒の騎士


賑やかな大人数でわいわいと騒いで話していたけど、大半は私たちの近況報告に対する質疑応答のようなものだった。
「絶対余計なこと言うなよ!」
と釘を刺されたものの、繋心さんの心温まるエピソードが多かったのでつらつらとおつまみを食べながら話してしまった。
「お前、帰ったら、覚えてろ」
ととてもお怒りだったけれど、昼間の試合を観てしまったので、これは所謂萌えというものではないのか?と内心思ってしまった。
その間もずっと、澤村くんは私に敵意の視線を送っていた。
(こ、こわいよぉ…!)
なんて、構えていたら、流れにのまれにのまれて、気付いたら本人の横に座っていた。
(殺されませんように……)
誰にともなく、祈る。
「澤村くん、おかわり何がいい?」
「自分で頼む」
「……な、なんかよそってこようか?」
「もう食ったからいらない」
会話終了。

もう、無理です。ごめんなさい。

泣きそうになるのを我慢して、自分のお皿のおつまみをちょこちょこ食べた。
何か思い出話でもしたいな、と思ったのに、そのオーラに圧倒されて何も言えない。
「るるさん、別に無理して話さなくていい」
「う……ご、ごめんなさい…」
もうこの人間関係は、復元不可能です…。
万人に好かれるというのは、無理なのは昔の経験でよくわかっている。
だから、そんなつもりももうない。
でも、でも。
「澤村くんは、なんで私のことが嫌いなの…?」
最後に、もし、傷つけてしまったのなら、謝りたい。
そう思った。
せめてもの小さな償いはしたい。
「…気になる?」
「す、すごく……。
言いたくないなら、いい……」
「…いや」
「じゃあ、聞く……」
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