第41章 アップルアンドシナモン5
捕らえれた手から熱が滲む。
「んっ!」
恐怖心より熱を逃がしたくなる…。
さよなら、私の意識…。
どこか冷静だった私が別れを告げる。
暗転した意識を手繰り寄せると、他人事のように思える私がいた。
気持ちよくて、じんじんとお腹が疼く。
「んっん…」
浅い快楽を波のように受け入れては身体が熱くなっていく。
口に咥えられて、無意識だったのに、慣れというのは恐ろしい。
どうしたら相手が喜ぶのか身体は覚えている。
ちゅっちゅっと音を立てて膨らみを吸うと、嬉しそうにびゅくっと白いものが出てくる。
「はぁっ…」
埃っぽい台車の上に座らされて、1人にはやわやわと指で刺激されている。
薬の効果のせいか、そんな緩い快感ですら受け入れては身震いする。
「んんんっ!!」
「ホンモノだって、これ…っ!」
「るるちゃん、まだそこで働いてんの?
お店教えてよー」
「んん、んっ、はぁ、も、もう、ないの…」
なんだー、とがっかりする声が聞こえる。
働いていた、というほどでもない。
私はあそこに住んでいた…。
「あぅ、そこ、そこっ…」
こりこりと指で好きなところを引っ掛かれる。
「いいっ、いい…!いいのぉっ…」
もう1人のソレを慰めていたのに、すっかり夢中になってしまう。
「ほら、ちゃんとヤれよ」
髪を捕まれて戻される。
「ごめんなさいっ!んぅ、んん」
熱くて一際大きい。
ドクドクと脈を打ちながら口に入ってくる。
頭がぼーっとしてて、好きそうなところが見つからない。
唾液を掌に馴染ませて、改めて手を這わせる。
「いいよ、そこ…」
「ここれすかぁ?」
割れ目を舌で割りながら、ぎゅっと上下に擦ると、白濁がまた私の手を汚す。
また出てきたものをごくごくと飲んであげると、嬉しそうにお兄さんは笑った。
「そろそろ挿入れるか?」
「俺、もう、無理…」