第28章 【番外編】見せたくないし見られたくないし
「今度、俺の同期とやってるバレーで試合あんだけど…来いよ」
夜、二人で並んでベッドにいた時、ふとそんな話をされた。
でも凄くぶっきらぼうに言われて、思わず聞き返してしまった。
「それ、行ってもいいんですか?」
「……ああ」
これは、怒ってるんじゃなくて、照れてる方だ。
「なんで恥ずかしいんですか?」
「見られると思うと、ヘマ出来ねえだろうが…」
「気にしなくていいのに……」
「する」
むすっとして、枕に顔を埋める。
たまに見せるそういう繋心さんの仕草は、まるで子供みたいですごく可愛くて好き。
「ありがとうございます、必ず行きますね」
ちゅっと頬にキスしながら返事をすると、引っくり返されて馬乗りされる。
髪を下ろした顔がむっと眉間にシワを寄せて見てくる。
「……っ」
毎日見てるのに、たまらなくカッコよくて、可愛くて、
「好きです…」
といつもみたいに甘く言うことしか出来ない。
「……俺も」
珍しくいつもと違う返事をされて、胸がどきどきと高鳴る。
「え…、もう一回、言って…?」
「……言わねえ」
「えー!?」
覆い被さってくる煙のにおい。
逞しい胸板に包まれて、私は今日も啼く。