第28章 【番外編】見せたくないし見られたくないし
「……っ」
ほら、結局また、手のひらで転がされる。
笑ってそんな答えが貰えるとは思いもせず、自分の中にあった黒くてモヤモヤした気持ちが一瞬で洗い流される。
「試合だと、他校生の子にも自慢したくなっちゃって。
でも、その分凄く遠くに感じちゃって。
そういう時はやっぱり寂しいですけど…」
「……」
「帰ってきてからたくさん愛してくれるから」
「…っ!」
恥ずかしくて顔が見れない…のもあるが。
可愛すぎて、つい、すっぽり身体が包み込むくらい抱き締める。
「!!」
「…るる…」
声が詰まって名前呼ぶのが精一杯だ…。
「繋心さん、好きです」
「………」
いつもより少し照れた顔をしたるるが、いつも通りの言葉を口にしてくれる。
「知ってる……」
なんとか平静装って、俺も、とか言えればよかったのに、いつも通りの返事をしてしまう。