第26章 【番外編】一つの恋の終わり
緊張しすぎて、一句一句区切って話す。
でないと早口になりすぎて聞いてもらえなくなる。
頭の片隅でそれを考えてた。
「うん」
「高校の入学式からずっと、ずっとるるさんが好きだった、今も」
「………うん」
一瞬驚いた顔されて、間が出来る。
「ヤバい、緊張すんね?引いた?よね…」
「そんなことないよ」
「ごめん、ごめんな?迷惑なのはわかってる」
「嬉しいな、ありがとう。
菅原くんみたいな素敵な人に言われるの、嬉しい。」
彼女の顔は全く困った感じでも、お世辞でそんなこと言ってるとも取れない、負の感情がまるでない笑顔だった。
それ見てたら、なんか、ツラくて、悲しくて。
「…っ」
「ありがとう、なんか、私も嬉しくなっちゃったから、結局お礼じゃないね?」
くすくすと隣で柔らかい笑い声が聞こえる。
「俺、だっさ…」
「そんなことないから!」
肩を震わせて、少しだけ、埃臭い倉庫で、静かに泣いた。