第26章 【番外編】一つの恋の終わり
るるさんの大学に合同練習で遊びに来ていた。
インカレなら来る回数も増やせたのにな、とか思いつつ。
強豪だったところの奴も何人かいて驚いた。
「菅原くん!」
白いニットにピンクのふわっとしたスカート、私服の彼女は何回か見ていたが、
(ダントツで、イイ…)
久々に心がざわざわしだす。
「久し振り」
見上げてくる小柄な姿が色気がある。
「練習こっちでやってるよ」
と、手を引いて案内してくれる。
端から見たら一瞬でも恋人と思ってくれてるだろうか、なんて、少しどきどきする。
場所取れなくて外なんだ、とさらさらした声で言われる。
「そ、なんだ」
と精一杯の返事を絞り出す。
吹き抜けの庭に着き、合宿ぶりの烏養コーチに会う。
「おう、来たか」
目を合わせると、むっとした顔をされる。
慌ててるるさんの手を離す。
「来てたんすね!」
「コイツが勝手にマネやるとか言い出してよ、今日はテスト期間とかであっちが休みだから見に来た」
「へー」
尚も睨んでくるので、目線を外しながらコートを見るふりして逃げる。
おおよそ気付いているだろう。
そして牽制をされている。
(こっわ!!!)