• テキストサイズ

迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第3章 背中と甘酒


車に向かうと、昨日と同じようにるるは待っていた。
今、同じ車に乗ってまともに家まで送れるだろうか。
「繋心さーん、お疲れ様です」
満面の笑みで名前を呼ばれ、手をふられ、上目遣いで顔を合わせられる。
どきっとしないわけがない。
さっきまでのイライラが嘘のように晴れ、最悪ヤれなくてもまあいいかとすら思えてくる。
「今日はどっか寄るか?」
「んー、昨日買い置きしたので大丈夫です」
「……と、悪ぃ、メールだ」
見るとそこにはいつものメンバーで飲みの約束をしていたことが書かれている。
『いつもんとこ!もう始めてるぜー!』
と、写真と共に送られてきていた。
「あー、今日飲みだったか、忘れてたわ…」
「大変…!早く行かないと…!」
「いや、コイツらはいつも会ってるし別に」
そう言いながら車に乗り込む。
助手席を空けてやると気にしてるようにるるが乗ってきた。
「私でしたら気にしないでください!
適当に食べてテレビ観てます!
テレビも久しぶりだからつい観たいものが出来てしまって」
ふふっと女子高生らしく笑い、どうぞと促してくる。
まあこのまま家にいて襲っちまうよりマシか、と浅はかな考えをなんとか止めようと行く決心をした。
「じゃ、お前送ったら顔出してくるわ」
「はい!」

車から降りて荷物を運び、軽く着替えると玄関まで見送ってくれた。
「行ってらっしゃい」
「じゃあな」
ちゅっと頬にキスされる。
その仕返しに後頭部に手を回しがっちり固定して思いっきり舌を絡める。
「やっ、あ、んっ…」
足から力が抜けたるるはその場でへたりこんだ。
「…たく、こっちの身にもなれって」
照れ隠しに悪態をつくと家を出て、歩いて飲み屋へ向かった。
/ 708ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp