第19章 ほしゅうじゅぎょう
図書室の出入り口に貸し出し係として配置される。
山積みになってる返却本を種類ごとにわけ、ワゴンに乗せておいた。
丸々6年、私はこの委員会と美化委員を掛け持ちでよく引き受けていた。
仕事は慣れている。
静かな教室にヒソヒソとする話し声と本をめくる音だけが木霊する。
念のため、繋心さんにメッセージを携帯から送ることにした。
(えっと…)
『昨日の宿題見てもらうので、少し遅くなります』
すぐに返事が来た。
『おう』
なんとも繋心さんらしいお返事に少し心が安らぐ。
昨日のことを思い出して、少しだけお腹がきゅっと絞まる。
(はー…好き…!)
一緒に撮った写真を見て一息つく。
早めに帰る決心をして、ワゴンに乗った本を片付けた。