第18章 宿題とビール
るるが言うにはその宿題も陰湿だという。
文章で構成するところが多く、曖昧な問いで検索をかけても答えが2つ3つあるようなものが多いらしい。
「繋心さん、わかります…?」
「……………俺には聞くな」
「ですよねえ……」
はあ、とため息をついて、るるはノートに目を落とした。
「明日教えて貰いながらやればいいんじゃね?
そんなことより、いつもの始まるぜ」
「はーい、そうしまーす…」
歌でも歌うかのように返事をすると大人しく道具をしまって隣に座ってきた。
下らないVTRを集めた番組は、なんとなく考え事を洗い流してくれて、楽に観れた。
寄っ掛かると、手を繋いでくる。
何かモヤモヤとした不安を消したいようだった。
「…どうした?」
「ん、えっちしたい」
見上げてきて首を傾げる。
ふわっと髪が揺れ、やわらかな声で、
「だめ?」
と付け足される。
それに俺が逆らえないのを、彼女はよくわかっている。
自室に招き入れる気持ちは、完全に赤ずきんの狼だった。