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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第2章 キスとからあげ


イラッとなると彼女の首に思いっきり吸い付いた。
「きゃっ!!」
甲高い悲鳴が一瞬上がり、あとはぞわぞわと漏れてしまう甘い声が聞こえるのみ。
「あぁ、ああっ…!」
「生意気なお前には丸見えんとこに付けてやった」
「!!?」
「大人をからかうなよ」
「…ぁ、やだ、そんなつもりじゃ…」
「つもりはなくてもお前の態度はそうとしか思えないっつーの!
余裕ぶりやがって!」
その言葉にるるは、はっとした表情をした。
「ほんとに、私そんな顔を…?」
ショックを受けたような、悲しいような顔をるるはする。

……まさか、無自覚?

「…ごめんなさい、あの…」
「悪ぃ、その……」
同時にそう言うと、お互い元の位置に座り、今までをなかったことにしようとする。
「その、お前のそういうことは、家出した家族と関係が?」
聞いてから後悔した。
「………じゃねえな、悪い。
話したくなったら、いつか話してくれ。
いつでも、待ってやるから」
ぽんぽんと優しく頭を撫で、やっと俺のが上の立場になれた気がした。
そういう安心を感じる自分に、少しイラつく。
「…ごめんなさい…。
繋心さんには、お世話になってますから、私の気持ちが落ち着いたら、全部お話しします…」
「ん、待ってる」
額についしたくなって、キスした。

「あの、繋心さん、キス、もう一回して?」
その抗えないおねだりには敵わず、俺はまた貪るように口付ける。
「んっんっ、んぅっ」
必死に答える姿が可愛くて襲いそうになるのを抑え付ける。
くちゅくちゅと水音が部屋に響き、テレビのニュース映像が音を吸い込んでいく。
ふつりと互いを結ぶ糸が切れ、彼女の呼吸を整える音だけが、自分の耳に入ってくる。
限りなく、エロい…。

「おやすみなさい」
るるは赤くした頬のまま、手をふると自室へと入っていった。
部屋が静まり返った。
「あー!ヤりてえー…」
天井を見つめながら、下腹部に集まった熱を落ち着かせた。
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