第6章 0630
「ん…、よし」
シャワーを浴びてすっきり。
やっぱりエルヴィンのシャツは大きいけど…
でもいい匂いがするから大好き。
前に『好きなだけ私物を持ってきていいよ』そう言ってくれた事があった。
それ以来、ちょこちょこ置かせて貰ってる。
その…泊まる事が、増えたから…
勿論、服も置いてある。
でもこういう時は着ない。
……エルヴィンのが、いいんだ。
「ナナバ、髪は乾かした?」
エルヴィンもシャワー終わったみたいだね。
「うん、大丈夫。
ね、エルヴィン、ここ」
ぽんぽんと隣を叩く。
そうすれば真っ直ぐにこっちに来てくれる。
エルヴィンがベッドに座ると、スプリングが大きく軋む。
私が座る時よりも深く沈み込んで、その分だけ体が傾いて…少しだけ、寄り掛かるみたいになって。
ちょっとだけ、このままくっついていてもいいよね?
「ふむ…、これは中々…」
あ、エルヴィンがこの子の耳をつついてる。
私も反対側の耳、触っちゃおう。
「ふわふわでしょ?」
「そうだね、とても手触りがいい。
ずっと触っていられるな」
「それにきちんと君の膝でお座りして、いい子だね。ところでこの子は…女の子?」
「ううん、男の子」
当然、絶対、男の子。
だって…
「そうか…、名前はあるのかな?」
「うん」
「なんて名前だい?」
「……ナイショ」
恥ずかしいから、私からは教えられない。
でも、ヒントをあげる。
だから頑張って当ててみて?
「エルヴィンも聞いたことある名前だよ」
「…?」
「そうだなぁ…
見た目でわかる、…かも?」
これ、すぐ分かっちゃうかな?
そう思うと、ちょっとくすぐったい。
だって…そっくり、だからね。