第6章 0630
あぁ…上半身を起こした君に見下ろされるのは、また格別。
うっすらと汗ばんだ肌は、ビロードのように輝いている。綺麗だ。いつも以上にこの先の展開に期待してしまうよ。
だから…
ナナバの腰をそっと持ち上げ、ぐっしょりと濡れたその入り口へと宛がう。
「っ!?」
「大丈夫だ、そのままゆっくりと腰を落として」
君は不安そうに、俺の両腕に爪を立てる。
心配はいらない。気持ちのいいことしかしないから。だから、何も考えず…先へ進もう?
「…んっ!」
恐る恐る、君が腰を沈める。
そうすればまた"くちゅ"と小さな音が聞こえてはほんの少し入ることができた。
…堪らない。まだ全部入りきっていないというのに、こんなにも気持ちいいなんて。
男に生まれてよかったと思う。
それに…
「はっ…、ぅ、ん…
…ちゃんと、はい、ってる…?」
「大丈夫。上手だね、ナナバ」
俺好みに可愛くて、俺好みに厭らしくて…
そんな君とこんな事ができるなんて、幸せだ。
「っ?!エルヴィンの、馬鹿!!!」
今日は初めて聞いたな。
それだけ余裕がなかったという事だろうが…
「そんな事を言うと…意地悪してしまうよ?」
「あっ!?」
下から突き上げて一気に入れる。
「はっ…、つい、ね…
余りに、可愛いすぎて…」
そのまま、ゆるゆると突く。
「ぁっ!!や、待って、ダメ、だってば」
そうは言うが、君も好きだろう?
俺に合わせて一生懸命に腰を動かしているじゃないか。
きっと無意識だろうが…嬉しいな…
「…っ、ナナバ、君が好きだ」
「っ!!」
「俺と一緒にいてくれて、ありがとう」
…どうしてだろう、もっと"いかにも"な美辞麗句を知っているはずなのに。
君相手だと、こんな在り来たりな言葉しか浮かばない。
「ぁ、エルヴィン、私も、…私も…!」
『私も』
その一言と共に、涙が一筋、流れた。
その後はただひたすらに突き上げて、君を味わって…
「あ、あぁっ!!!」
「くっ…!」
こうして、また君の初めてに触れることができた。
今日は君の誕生日なのに、君以上に俺が貰ってしまったな…
ナナバ、好きだ。
…俺を好きになってくれて、ありがとう。